いずみホールへ, リフキン指揮, ケンブリッジ・コンツェントス, くにたち iBACH コレギウムの「マタイ受難曲」を聞きにいく.
バッハの指示通りの演奏だそうだ. ちょっとハプニングもあったが, とてもよかった. 舞台の両側に, 歌詞の日本語訳が表示されるのも, 単なる音として聞くのでなく, ドラマとして聞くことができてよかった. 第二部では, 歌詞の表示が, ときどき混乱して興醒めだったけど.
第一テノールの人の声が, とてもよく通り, さらに司会進行役のような役なので, メリハリがしっかりついていた.
第一アルトの人は, 清楚な声で, 役にふさわしくてよかったけど, もう少し声量があるといいのにと思った.
日本人声楽組は, みながんばっていて, よかった.
日本文組, 副第一ヴァイオリンの女性はパンタロン姿で, クラシックのコンサートでドレス以外の服を着た人を見たことがなかったので, とても新鮮だった.
Violone というコントラバスの先祖のような楽器が印象に残った. 特に Motomi Igarashi さんは, 西洋ノコギリのようなボウを自在にあやつり, とてもん印象的だった.
第二部でビオラ・ダ・ガンバのが聞けた. レコードで聞いていたのと違って, ちょっと硬質な音で, 音量不足なので, 演奏が大変そうな楽器だった. 今日の曲は装飾音を多用した演奏であったが, 楽器の弱点を補う作曲になっていたのかもしれない.
第一テノール + オルガン, Violone, チェロによる通奏低温という部分が非常に多いので, Violone の印象が大きかった. チェロの音がよく聞きとれなかったのが残念.
通奏低音をチェンバロが受けもっている曲で, なぜこれが通奏低温なのか, と思っていたが, チェンバロとオルガンが交代可能な楽器だとすれば, 何となく理解できた気がした. まるで見当違いかもしれないが.
二つのグループがいるので, オルガン奏者も二人いて, 同時に演奏する事も多々ある. 正面のパイプを見ると左右対象なので,二台のパイプオルガンとして使えるようになっているのかしら.
宗教的側面を無視すれば, とても気持良く聞けてコンサートだった.