須賀敦子全集 第 6 巻

何とか読了.

論文を集めた「イタリア文学論」と「翻訳書あとがき」から構成されている.後半は,なれしたしんだ須賀さんの文章.本を読むことに対する愛情があふれていて,浮っつらを撫でる読書しかできない身からしたら,とてもうらやましい.本に恋しているかどうかの違いだろうか.

前半の論文集は,なかなか読みすすめなかった.文学系の論文の世界に不慣れなせいか.須賀さんの軽やかで清らかな文章とは全然違う.

《「集」としての「カンツォニエーレ」 - ウンベルト・サバの場合》など,出展・引用・参照など的確に提示してあるのだが,参考文献の主張を纏めた部分と,須賀さんの主張との違いが,素人にはわからなかった.文学系の論文は,このような書きかたをするのが普通なのかな.

全集は残り 2 巻,別冊 1 巻.