麻生三郎展

2 月 5 日, 医者に行ったついでに近代美術館へ寄り「麻生三郎展」を見る. この展覧会まで知らなかった作家だ. 入口で出会う「赤い空」は, 心にすなおに響く絵だ. しかし, 暗いモノクロっぽい色調の中に, 暗い赤がまじるという絵は, 色覚異常の身にとっては, なかなか見るのがつらかった. たぶん, 赤がもっと際だって見えているんだと思うのだが, ほとんどモノクロの中に埋没しているので, ただでさえ輪郭のはっきりしない絵が, ますますぼんにゃりとしか見えない.

デッサンが多数展示してあり, こちらは色に惑わされることがないので, よく見えた.

「ひとり」という絵には, (少くとも) 二人の人が描かれている. 一人で二人なのか, 二人で一人なのか.

後期になると, 人体がどんどん解体されていく. 肉の塊になっても, 人なのだろう.