トリエステの坂道

須賀敦子「トリエステの坂道」読了.

文庫版全集を全巻買ってしまった.トリエステの坂道の入っている第 2 巻に収められている 四十代半ばのころのエッセイ「イタリア語と私」の最後に

イタリアを日本の人たちに説明する仕事に,私は,いつか没頭することになるだろうか.シローネから出発した,「全人間」を求めての,イタリアの,そして私の半生の旅を,日本の人たちにどうしてもわかってもらいたいと思う日が,いつかやってくるのだろうか.

とある.10 年たって,このような思いが確固したものになったのだろうか.